日本の結婚の歴史と現代のチャペル式

多くの人が「結婚式」という言葉で思い浮かべるシーンと言えば、ウエディングドレスとタキシードに身を包んだ新郎新婦とチャペルでの挙式シーンでしょう。それだけ、仏教や神道の文化が染み付いた日本でもチャペル式が一般に広まったという証と言えます。ではどうして結婚式はチャペル式がこれだけ広まったのでしょうか。実は現代の日本で行われている結婚式の様式は神前式であっても仏前式であっても、キリスト教式を参考にし作られた様式なのです。

今のような神前結婚式が行われるようになったのは実は明治時代からのことで、それまでは自宅で執り行われる祝言によって結婚が成立していたのです。そして昭和に入るとウエディングドレスが日本に持ち込まれ、若い女性の憧れの的となり、キリスト教徒でなくともチャペルでの結婚式を挙げることが大流行したのです。日本は海外に比べ、結婚式に費用をかけすぎると言われています。盛大な披露宴を行うからだという理由です。

しかしそれは、祝言という、つまりは現代の披露宴のような結婚の形が、日本の歴史で長く受け継がれてきていたからだとも言えます。祝言の時代には自宅で酒宴を準備していたわけですが、現代の住宅事情ではそれは適わないため、広い会場を借りてとり行うことになったわけです。しかし海外では逆に結婚式がメインイベントと捉えられているわけです。それは宗教的あるいは文化的な感覚の違いからくるもので、どちらが良い、悪いといったことではないのです。

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